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ADHDとタバコ2

前回の記事では、『ADHD患者にとってタバコはセルフメディケーションの一種』と書きました。

しかしタバコの害は大きいため、ニコチンだけを摂取することをお勧めします。

この記事では、タールはできるだけ避けてニコチンのみを吸収する方法について考えていきます。

ニコチンを摂取する方法

タールをできるだけ避けてニコチンを摂取する方法は4つ考えられます。

  1. 加熱式タバコを使用する
  2. 噛みタバコ
  3. Vape
  4. ニコチンパッチ、ニコチンガム

以下でこれらについて解説していきます。

加熱式タバコ

加熱式タバコは皆様知っているとは思いますが、アイコス、グロー、プルームなどが存在します。

従来のタバコは、煙草の葉を燃焼させたガスを吸うことによって様々な有害物質と共にニコチンを吸収するというものでした。

しかし、2015年にフィリップ・モリスが革命的な加熱式タバコ『IQOS』を発売します。

芸能人がIQOSを吸っている姿はテレビで何度も放送され、愛煙家から徐々に受け入れられるようになりました。

今では様々な会社が加熱式タバコを販売しており、知らない人はいないと思います。

メリットとして挙げられるのは

  1. タバコ葉を燃やさないためにタールや副流煙が発生しにくい
  2. 臭いが少ない
  3. 紙タバコに比べて害が少ない・安全

などがあります。結構良さそうに見えますよね。

しかし早まらないでください。

理論上、普通のタバコと比べてマシに感じるのですが、私は安全性は低いと考えてます。

小児喘息の既往があった私自身、強い倦怠感を感じたり、喘息発作が出たりと色々と副作用が出ましたので、今は利用していません。

加熱式タバコは新しい製品なので、エビデンスの高い研究は存在しません。

絶対に体に悪い!

と断言しませんが、私の個人的な直感では辞めておいたほうがいいと思います。

加熱式タバコは多少マシですが、おすすめはしないです。

 

噛みタバコ

こちらは頬と歯茎あるいは上唇と歯の間にタバコの一部をはさむことによって、口腔粘膜からニコチンを摂取する製品です。

しかし絶対にお勧めしません。

なぜなら口腔癌の発生頻度が非常に高くなるからです。

ある研究によると、口腔がんの90%の人が、たばこから発症したものであり、たばこを使用する量、使用年期に平行して増加していて、46%が「噛みたばこ」から発症しているという衝撃的な結果を報告がされています。

口の中の癌は非常にやっかいで、発見が遅れると死亡するケースも多いです。

助かったとしてもご飯がまともに食べられない。話せない。見た目が悪くなる。生きていく上で大きなハンデになります。

歯科医師としてもこれだけは絶対にお勧めしません。今使用している方、お願いなのでやめてください

 

Vape

ベイプと言ったら聞いたことはあるけど、よく分かっていない人が多いと思います。

加熱式タバコと何が違うのか?というのをまず説明しようと思います。

加熱式タバコとの最大の違いは

加熱式タバコ→煙草の葉を加熱する
Vape→プロピレングリコール(PG)と、植物性グリセリン(VG)を加熱する
PG? VG? なんじゃそりゃ
と思う方も多いとは思いますが、コンサートなどで焚かれるスモークもこれで作られています。そこに香料が加えられることで、様々な味のリキッド(液体)が作らています。
どれも食品レベルの成分なので、大量に摂取しなければ人体に悪影響を及ぼすものではないと現時点では考えられています。
ただしこれも新しい製品なので、研究結果は出ていないというのが実際のところです。
しかし日本で発売されているリキッドには大きな問題があります。
ニコチンが入っていません!!!
なので、ニコチンは海外から輸入し、調合しなければなりません。
Vapeを使う方法は、やや面倒くさいですが、結構おすすめです。
メリット
  1. 臭いが少ない
  2. 維持費がどのタバコよりも安い
  3. ちょっと吸いをして満足したらやめられる

これを読んで興味が出た方はコメントください。1人でも需要があれば、おすすめの機材や調合について記事を書こうと思います。

日本において『タバコ=悪』というイメージが固定化してしまっているので、この記事自体需要がなさそうですけどね(T_T)

ニコチンパッチ、ニコチンガム

現在、ニコチンの研究は、傷の治癒の促進から、うつ病、統合失調症、アルツハイマー病、トゥーレット症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アンガーマネジメント、不安まで、さまざまな分野で研究が行われています。

この研究で使用されているものが、ニコチンパッチやニコチンガムです。

なぜ普通のタバコで研究しないのか?

それはタールが非常に有害であり、試験者の健康を害することは明白であるからです。

純粋にニコチンだけを摂取するためには、今のところニコチンパッチやニコチンガムしかないのです。

今までタバコを吸ったことがなく、純粋にADHDに効果があるか試したいという方にはお勧めします。

ここでニコチンパッチの添付文書を見てもらいます。

気づく方もいるかもしれませんが、

パッチを貼っても血中ニコチン濃度が上がるのが非常に遅いのです!

なんか眠いな。。。ニコチンが必要かも、、、と思ったら3~4時間待たないと効かないのです!

これは結構致命的な欠点ですよね。。。

これに対し、ニコチンガムであれば直ぐに口腔粘膜から吸収されるので即効性が期待できます。

以下のグラフはニコチンガム(2mg)のニコチン血中濃度です。

気づきの方がいるかも知れませんが、ニコチンパッチに比べて血中濃度が低くないですか・・・?

推測ですが、乱用しても副作用が出ないように、子供が間違えて食べても大丈夫なようにあえてニコチン含有量を抑えて作っているのでは、、、と思います。

ちなみに普通のタバコを吸った際のニコチン血中濃度は以下のとおりです。

1時間に1本の割合で7本の紙巻きタバコを吸い,血漿中ニコチン濃度を継続測定した実験では,吸入直後に濃度がピーク(35~54ng/mlとなるが,すぐに減衰して7時間の蓄積は少なかった.血漿中のニコチンの半減期は40分(24~84分)である.

これだとガムをたくさん食べないといけません。

ところでニコチンガム10個で何円か知ってますか?

答えは、、、700円

高いよ!!!

維持費高すぎて無理です。下手したらコンサータよりも高くつきます。
海外からの個人輸入であれば4mg 90粒で27$ぐらいの商品もあります。これだったら少しはお財布に優しいですね。
起床時にニコチンガムとニコチンパッチを併用すると、いい感じに血中濃度を維持できそうなので、今度実験でやってみることにします。

まとめ

今回はタールを抑えつつ、ニコチンを摂取する方法について書きました。

個人的なおすすめは

Vape>ニコチンパッチ・ニコチンガム>加熱式タバコ≫噛みタバコ

です。皆様興味があったらぜひ試してくださいね。

くれぐれも自己責任でお願いします。

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